愛媛医療生協(しんぶん)

2019.03.10 医療活動版
大腸がんって怖いの?

愛媛生協病院 外科
塚本 尚文

便に血が混ざっている。排便後にまだ便が残っているような感じがする(残便感)。便秘、下痢を繰り返す。普段このような症状はありませんか?思い当たる方は一度病院を受診しましょう。症状に当てはまらなかった方も罹患率、死亡率ともに最近増加傾向にある大腸がんについて考えてみましょう。

大腸がんって?
大腸は消化吸収された残りの腸内容物をため、水分を吸収しながら便にするところです。多種、多量の細菌の住みかでもあります。長さは130〜150cmで人によって形や長さは違います。大腸にできる病気には大腸ポリープや大腸がんなどがあります。大腸がんの多くは小さい良性ポリープ(腺腫)が、がん化して大きくなったものです。進行した大腸がんでは便が細くなる、血便、お腹の張り、腹痛、貧血などいろいろな症状が現れますが、一方早期の段階では症状に出ないことも多いです。そのため早い段階での検査が重要になります。

どんな検査があるの?
大腸がんの検査には便潜血検査や大腸内視鏡検査があります。便潜血検査は便を2日間採取し便の中に血液が混じっていないか調べる検査です。大腸内視鏡検査は直接大腸の中を観察し病気がないかどうか判断します。ポリープが見つかると切除し組織を詳しく調べます。多くの場合は良性ですが中には悪性のものが含まれています。その時は、内視鏡で切除ができるか、外科的切除になるか判断し治療を行います。

原 因
大腸がんは肛門から近い直腸やS状結腸にできやすく、全体の7割以上はその部位からできると言われています。
大腸がんは、遺伝的因子よりも環境的因子の比重が大きく食生活の急激な欧米化、特に動物性脂肪やタンパク質のとり過ぎなどが原因と言われています。また5%前後の大腸がんは遺伝的素因で発症するとされます。

検診を受けましょう
まずは便潜血検査を受けましょう。陽性の場合は、医療機関を受診し、大腸内視鏡などの精密検査を受けましょう。
小さいポリープの段階でみつかれば内視鏡治療で終了することができます。そのため早期に見つかれば治る可能性も高くなります。
大腸がん検診や大腸内視鏡検査をしたことがない方で気になる方は、一度病院を受診し相談してみてください。