愛媛医療生協(しんぶん)

2019.06.10 コラム
コラム 風を読む 2019年6月号

「100万種絶滅危機」。国連の科学者組織が発表した。人類によって陸地の75%が改変され、湿地の85%が消失、海洋の66%が悪影響を受けており、動植物の絶滅のスピードは過去一千万年の平均より10倍から数百倍と推定されるそうだ。
人は自然から食料や薬、燃料を得ており、作物の75%は受粉を動物に頼っている。海洋や陸の生態系は人が排出する二酸化炭素を吸収している。自然資源を持続的に利用するには社会や経済、政治などがあらゆる分野で変革が必要だと国連は警鐘を鳴らしている。
地球温暖化対策の目標を達成しても破壊は止まらないとの予測だ。海洋プラスチック汚染も深刻さを増している。
環境破壊の主たる推進力は大量生産、大量消費の経済政策ではないだろうか。私たちのくらしは、修理ではなく買い換えることが中心となっている。その方が安くなる仕組みに埋没させられている。
生物多様性を維持するための生活や経済スタイルを考え、実行したい。