愛媛医療生協(しんぶん)

2019.02.10 医療活動版
あなたの骨は大丈夫?

新居浜協立病院 放射線技師
向井 至

健康寿命を延ばす
日本は世界でもトップクラスの長寿国であります。また健康で自立した生活を送れる「健康寿命」を延ばすことも注目されています。
現在は、平均寿命と健康寿命では男女で9〜12年差があります。実際には多くの人が健康でない状態で過ごさざるを得ない状態です。原因としては成人病、がんなどの疾患もありますが、ここでは体や日常生活を支える骨の健康について考えます。

骨を健康に
骨粗鬆症を予防し骨を健康に保つことは、健康寿命延伸につながります。
骨の強度が低下し骨折しやすくなる病気が骨粗鬆症です。
この病気は、よろけて手をついたり、尻もちをついたり、くしゃみをしただけというわずかな衝撃だけで骨折してしまうことがあり、日常生活の中でおこってしまうことが多く、油断なりません。まず一番大事なことは、今の自分の骨の状況を知ることです。
骨粗鬆症のほとんどは、なかなか症状が出ないので、知らぬ間に状態がすすみ、ある日突然ちょっとしたことで骨折してしまいます。また骨粗鬆症による骨折治癒には健常者の骨折の2倍近く療養期間がかかり、高齢者の場合この長い療養期間をきっかけに、介護生活が始まったり、寝たきりとなるケースも珍しくありません。

女性の方が多い骨粗鬆症
骨粗鬆症は男性より女性のほうがすすみやすい特徴があります。女性ホルモンの分泌によって自身の骨を守っていますが、必ず50歳前後には閉経という形で女性ホルモンが減退してしまいます。この影響により女性は骨粗鬆症にかかりやすいのです。
女性は40歳ぐらいから、男性も60歳を超えると骨密度検査が必要だと思います。

骨密度を測ろう
一度骨粗鬆症検査(骨密度測定)を受けてください。その結果によって予防も治療も始まります。一度受けていただければ2回目、3回目と受けるごとに前回からの骨の変化のようすがわかり予防も治療もすすめられます。
治療ではカルシウム剤、ビタミン剤、ホルモン剤など状況に応じた薬がたくさんありますし、簡単な運動療法で骨を刺激する予防や治療も盛りだくさんです。どのタイミングで始めるかが大事です。
協立病院では班会メニューに「あなたの骨は大丈夫」というものがあります。ご利用ください。

愛媛生協病院では、1月より第2・4水曜日午前に愛媛大学医学部附属病院 副病院長 今井祐記先生による骨粗鬆症外来(予約制)を開始しました。