愛媛医療生協(しんぶん)

2019.04.04 医療活動版
あなたの血管は大丈夫?

新居浜協立病院 検査技師
今井 恭子

動脈硬化とは
歳を取るとゴムのように柔らかかった血管もだんだん硬くなります。また、血管の内側に血液中の脂肪などがくっつき、血行が悪くなります。このような現象が「動脈硬化」です。動脈が硬くなると、しなやかさが失われ、血液をうまく送り出せず、心臓に負担をかけます。また、血管が詰まったり、血管が破れやすくなったりして、重篤な病気を引き起こす危険性が高まります。日本人の4人に1人は動脈硬化による心臓や脳の病気で亡くなっています。
動脈硬化は、主に加齢や男性、女性の場合は閉経後、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満、喫煙などを原因として発症します。動脈硬化の怖いところは、何の自覚症状もなく病状が進行することです。そのため、予防が大切です。

予防するには
加齢や男性などの危険因子は仕方のないことですが、それ以外は取り除ける因子です。まずは生活習慣を改善することが大切です。食生活の改善として過食、偏った食事、アルコールの過剰摂取をやめ、魚、野菜中心の食事で薄味にします。禁煙し、適度な有酸素運動をすることが推奨されています。糖尿病、高血圧、高脂血症などがある場合にも、それらの病気をきちんと治療し続けていれば、動脈硬化の進行を遅らせることが可能です。

定期的に検査を
動脈硬化の進行の程度を判定する検査として、手足の血圧の比や血流速度から動脈の状態を推測する血圧脈波検査や、首の動脈に超音波をあてて血管が細くなっていないかを調べる頸動脈エコー検査があります。定期的に「動脈硬化検査」を受けて血管の健康度を知りましょう。詳しくは各事業所にお問い合わせください。


血圧脈波検査のようす