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医療活動版

スポーツの秋、運動と健康づくり

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愛媛生協病院 メディカルフィットネスココア
河野 慎平


 スポーツの秋と言われて思いつくのは、ウォーキング、ランニング、スクワットや腹筋などの筋トレではないでしょうか?他には、野球やサッカー等の球技を思いつく人もいるかもしれませんね。今回は、運動効果と運動習慣をつける方法をご紹介したいと思います。

有酸素運動
 まず、運動には大きく分けて2種類あります。その1つが有酸素運動です。有酸素運動はウォーキングやランニング等のことです。体力をつける他に、体重・体脂肪を落とすという効果があります。
 最近、「体力が落ちたな」「お腹が出てきたな」「血圧が高いな」と感じている人は、有酸素運動から始めてみましょう。有酸素運動は長時間運動を継続することで、酸素を体内に取り込んで、体内にある糖や脂肪をエネルギーとして身体を動かします。このことから血糖値が下がる、血圧の安定、体重・体脂肪の減少が見込めます。また、長時間運動をすることで、体力もつきます。

無酸素運動
 もう1つは無酸素運動です。無酸素運動は筋トレのことです。姿勢の維持や筋肉量の増加という効果があります。「膝や腰が痛い」「つまずきやすくなった」と感じている人は、無酸素運動(筋トレ)から始めてみましょう。無酸素運動は有酸素運動と逆ですが、酸素を取り込まないことではありません。運動継続時間は1〜3分程度です。短時間しか継続できませんが、力の発揮や筋量・筋力を高める事ができます。そうすると、姿勢が良くなり、転倒のリスクが減少します。まずは目的に応じた運動から始めてみると取り組みやすいですよ。

運動習慣
 運動を毎日続けるのは大変ですよね。1日に1時間ウォーキングしたり、全身の筋トレを行なったりするのは、なかなか続きません。そこで1日に行なう運動を3日に分けて行なってみませんか?有酸素運動なら1時間ウォーキングするところを3日に分けて、1日20分のウォーキング。無酸素運動なら、1日はスクワット(下半身の筋トレ)、もう1日は腕立て伏せ(上半身の筋トレ)、あと1日は腹筋・背筋(体幹の筋トレ)。このように全身の筋トレを3等分に分けてあげると、1回の負担は減りますよ。回数は1日に10回3セット。これを毎日ではなく、1週間に3日行なうと4日は休める計算なので、無理なく続けられますね。
 下記の表の様な運動計画だと負担も少なく、継続しやすいですよ。
 これでも、運動は難しいぞ!と思っている方は、是非、メディカルフィットネスココアで一緒に運動してみませんか?
メディカルフィットネスとは
①併設する医療機関の特徴を活かし、専門的で総合的な疾病予防と治療の効果を高めるメニューを提供します。
②様々なご要望にお応えする多彩なスタジオエクササイズを提供します。
③安全・安心な運動空間を提供します。
④医療生協が取り組む、地域の体操教室と連携し、地域の健康づくりに寄与します。

 皆様のおかげで、10月に6年目を迎える事ができました。そこで11月は1週間お試し体験を実施しています。詳しくはココア(℡ 089-976-7203)までお問い合わせください。
 自分に合った運動習慣を一緒にみつけましょう。


終末期をどう生きるか
健康な時にこそ考えてみませんか②

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協立病院 院長
谷井 実


 家族が、病気の進行、あるいは加齢による衰弱で、口から食べることができなくなったり、また、自分自身で呼吸をすることができなくなった場合、皆さんは、どうしたいと考えますか。点滴をするか胃瘻を作るか、または、そっと静かに見守るか。人工呼吸器をつけるか、つけないか。その場では、意識障害があったり認知症の影響で、本人の本心を確かめることができないかもしれません。
 そうならないためにも、健康な時にこそ将来の変化に備え、準備をしておくことが必要です。

終末期医療に関する事前指示書
 事前指示書とは、意思表示をする能力のある人が、「突然の病気」や「認知症」などのために自分の意思を伝えることができなくなってしまう場合に備えて、〝自分の終末期医療や介護をどうしてほしいのか〞という思いや希望を事前に、家族や親しい人、かかりつけ医に書き記しておくことです。終末期においても患者さんの尊厳ある生き方を実現するためには、患者さんの意思が尊重された医療及び介護を提供することが重要です。
 患者さんの意思を尊重し、その人生にとって最善となることが見込まれる医療及び介護が実現することは、残されたご家族等にとっても、極めて重要な意味を持ちます。この記事を読まれたことをきっかけに、話し合いの機会をもつこともよいでしょう。
 インターネットで、〝事前指示書〞を検索すると指示書の例が出ています。その中の一つを紹介します。

【事前指示書の例】
 私が、高齢となり意識がなくなる状態におちいり、自分で身の回りのことができなくなり、自分で飲むことも食べることもできなくなったときには、以下のようにしてください。
• 私が自分の力では水も飲めず、食べ物も食べられなくなったら、無理に飲ませたり、食べさせたり、点滴や栄養補給をしないでください。
• 鼻管を入れたり、胃瘻を作ったりも、しないでください。
• 私が自分の力で呼吸ができなくなっても、人工呼吸器をつけないでください。など。


終末期をどう生きるか
健康な時にこそ考えてみませんか①

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協立病院 院長
谷井 実


人生100年時代到来
 日本人の平均寿命は男性81.5才、女性87.3才で、世界トップクラスの一つです。健康寿命は74.9歳で世界1位です。健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。
 日本で100歳以上の人は67,824人(2017年)、10万人当たり48人(2015年)でこれも世界1位です。ちなみに愛媛県では100歳以上の人は1116人(2017年)います。
 人類史上最も長生きした人は、フランス人の女性、ジャンヌ・カルマンさんで122歳164日(生誕〜死没:1875/2/21〜1997/8/4)でした。120歳を超えて生きた人は、後にも先にも、この人一人だけです。

人はいつか必ず死ぬ
 120歳を超えて生きるのは困難です。人はいつか必ず死にます。それは癌かもしれないし、脳卒中あるいは心筋梗塞かもしれません。そのほかの場合もあるでしょう。
 先日私の叔母がなくなりました。叔母夫婦には子供は無く、叔母は10人兄弟でした。遺言書が無く、遺産の処理が大変でした。他の兄弟9人のうち8人が既に死亡しており、数十人になる甥・姪の書類作成が必要になり、住所を突き止めるのも大変でした。健康な時から死後のことを考えて、遺言書を準備しておくことが大事かと思いました。
 医療や介護に関することも同様でしょう。人生の最終段階における際、人は終末期を過ごす場所および行われる医療や介護について自由に選択できる環境が必要です。終末期医療を考えてみませんか。
 現在は亡くなる人の80%が病院で亡くなります。ほとんどの場合、亡くなるまで酸素吸入と点滴が行われています。最後まで点滴をすることにより、手足がむくんだり、点滴針による皮下出血などがあり、安らかな旅立ちという視点では考えさせる状況です。
 また、脳卒中、認知症や老衰で口からの食事が困難になった場合、延命のために、胃瘻や中心静脈から人工栄養を行うことがあります。これにより、生存期間を数年単位で延長できます。延命治療が患者さんにとって本当に利益があることなのか、また、このような状況を本人は望んでいたのだろうか、と考えさせられたことがあります。
(次号に続く)

糖質

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愛媛生協病院 管理栄養士
三好 みさと


 数年前までは「油は太る」というイメージから揚げ物を控えたり、肉は鶏ささみを選んだりとダイエットといえば脂質制限をする方が多かったように思います。しかし、最近ではオリーブ油やココナッツオイルなど質の良い油を摂る事により健康効果が得られるということで「脂質=悪」というイメージが変わってきて「質の良い油を積極的にとる」ことが求められるようになってきました。
 そして脂質制限に代わってここ数年注目されているのが糖質制限です。実際に実践している方もいると思います。糖質制限ダイエットが広まるにつれて糖質の摂りすぎは良くない、糖質こそが太る元凶であり、「糖質=悪」のようなイメージがついてしまっていますが、本当に糖質は悪者なのでしょうか。

糖質とはなんでしょう
 甘いもののこと?炭水化物のこと?いまひとつ分かっていないという方も多いのではないでしょうか。
『炭水化物=糖質+食物繊維』
 炭水化物はたんぱく質、脂質と並んで私たちが生きていくために必要な三大栄養素で、エネルギー源となり、生命維持に必要不可欠な栄養素であり決して悪いものではありません。
 糖質は脳の唯一のエネルギー源でもあります。

糖質は必要
 糖質はごはん、パン、麺類などの主食をはじめ芋類、果物、菓子、ジュース類など多くの食品に含まれています。糖質の過剰摂取は食後の高血糖を招き肥満や糖尿病、脳卒中、心筋梗塞の発症リスクを高めることがわかってきています。だからといって糖質を摂らないほうがよいというわけではありません。必要な糖質を摂取しないと集中力が欠けてきたり、体力低下や、さまざまな不調をもたらす原因ともなります。最低1日100gは摂ることが必要と考えられています。白米1膳(150g )に約55gの糖質が含まれています。

バランスの良い食事
 糖質制限ダイエットは効果がでやすい反面、途中でやめてしまうと簡単にリバウンドしてしまいます。過剰に摂っていた分をカットしようというのが糖質制限ダイエットの基本です。健康的な身体は栄養バランスの良い食事があってこそです。糖質に気をつけるだけでなく、たんぱく質や脂質も同じく摂り過ぎれば肥満の原因となります。全体の食事バランスも意識しましょう。

【食品に含まれる糖質量】

成人が打つべきワクチンは?

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新居浜協立病院 内科
谷本 浩二


 ワクチンは主に、乳児期から母子手帳に書かれているスケジュールに沿って、定期的に接種するものと、受けるかどうかは両親の判断に任されている任意接種のものがあります。
 成人の場合にも、接種するべきワクチンがあります。
 毎年流行を繰り返すインフルエンザワクチンはよくご存じでしょう。60歳以降の方では、肺炎球菌ワクチンが助成されるようになり、医療機関で接種を受ける方が増えています。

麻疹はこわい‼
 今年4月頃には、沖縄で麻疹の流行が見られ、70人ほどの感染が報告されています。台湾からの旅行者が感染源となり、広がっていったとされています。
 麻疹(はしか)の感染力はインフルエンザの10倍と推定されており、ウイルスは空気中をただよい、例えば電車の同じ車両内で感染します。
 感染力が強いうえに、肺炎の合併が6%に生じるほか、頻度は低いのですが脳炎を合併することがあり、思春期以後の麻疹による死亡の原因となります。また、妊婦さんは重症化しやすく、流産の原因となることが報告されています。
 麻疹の確実な予防にワクチンが有効です。2回接種で予防に必要な免疫力を得ることができます。
  現在50歳以上の人は、以前に度々おこった流行を経ているので、ワクチンを接種する必要はありません。ワクチンの定期接種が始まり、感染する人は最近になってほとんど見られなくなりましたが、1977年から1990年生まれの人では、麻疹ワクチン接種が1回のみであったため、現在のような流行が生じています。
 今の子どもたちが確実にワクチン接種を終えること、そして麻疹に感染したことがなく、ワクチン接種が1回のみの世代の方が、確実にワクチンを受けることが必要です。

ワクチンにもいろいろ
 このほかにも、成人では風疹や流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)のワクチン接種をしておらず感染したことがない場合、土に触れる機会の多い人では破傷風ワクチン、といったように健康を維持する、感染症リスクを下げるために必要な場合があるので、この機会にワクチンについて話し合ってくだされば幸いです。

 日本プライマリ・ケア連合学会のワクチンプロジェクトチームは、乳児から高齢者まで全世代を対象としたワクチン・予防接種の総合情報サイトを開設し、ウエブ上で一般公開した。2018年6月16〜17日に三重県津市で開催された日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で同チームのリーダーである中山久仁子氏(マイファミリークリニック蒲郡院長)が報告した。
サイト名は「こどもとおとなのワクチンサイト」(https://www.vaccine4all.jp/

みんないきいき健康づくり
2018年度の健康チャレンジ

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健康づくり委員長
青山 啓子


昨年度のときめき健康チャレンジ
 昨年度は、愛媛県の後援を受けることが出来、他団体との共催も拡がり全体で3565人の参加がありました。愛媛医療生協では3432名が参加し男女比では男性22.2%、女性81.9%、年齢別では、70代31.7%、60代22%と全体の半数を占めました。コース別では、運動30.3%、食、肥満の改善20.8%、口腔ケア12.3%の順でした。(表1)チャレンジ終了後の報告書提出は2351名で「主人と一緒に休肝日が週一回出来て良かった」(69才女性)「食品群チェックシートにチャレンジ。自分が何を摂れてないかよくわかって良かった」(70才女性)「舌をキレイにみがくことにチャレンジ。自分は寝たきりなので妻がよくがんばってくれた」(79才男性)など多くの成果と感想が寄せられました。職員からの評価やアドバイスも報告者のこれからの励みになったようです。
 また昨年度は松山市の2つの小学校の児童225名が夏休みにチャレンジしました。お手伝いをする、早起き早寝、歯みがき、朝ごはんを食べる、あいさつをする等、自分で目標を立て実施しました。感想として、「勉強を毎日できなかった時があったから次はもっと頑張りたい」(3年生女子)「朝ごはん毎日食べた。がんばれたとおもう」(1年生男子)「朝早起きすると気持ちがいいです。一日のやることが早くおわるので楽になります」(5年生女子)などたくさんのよかった事を寄せてくれました。また保護者からの一言にも「お手伝いしてくれて助かった」「歯みがきを家族といっしょになってできた」等、子どもと一緒になって成果を実感している様子がうかがえました。

(表1)

今年度のチャレンジ
 18年度の愛媛医療生協はスローガン「みんないきいき―地域まるごとケアのまちへ!」キーワードは〝つなぐ〞です。課題のひとつである健康づくりの生協として、ときめき健康チャレンジを推めます。誰もが気軽に取り組め60日間続ける事で生活習慣に結びつけ、健康寿命の延伸にもつながります。5回目の今年、医療福祉生協の8つの生活習慣をもとに職員とともにリーフレットを一部改正しました。またキッズチャレンジ用のリーフレットを作成しました。8・9月夏休みを含めたこの時期に子ども達には正しい生活習慣を身につける良い機会です。親と子、そしてお孫さんと一緒におじいちゃん、おばあちゃんも、そしてお隣りさんも笑顔になるチャレンジをしてみませんか。

〝健康を決める力〞
ヘルスリテラシーをみがこう

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愛媛生協病院 家庭医療科
原 穂高


 例えば、あなたが75歳で長年、膝の痛みで悩んでいたとしましょう。テレビや雑誌の広告に膝の痛みに効果的な健康食品が紹介されていました。体験者の話によると、坂道で痛みがあったのが飲み続けたら階段を苦もなく昇れるようになり、驚きの効果があるそうです!値段はちょっと高いけど、今なら1ヶ月分が無料!そそられていたところ、友だちが同じ商品を勧めてきました。これは今すぐ申し込むしかない‼
 え?自分にかぎってそんな話に踊らされるわけがない!
 そうですか?そんなに自信があるならばむしろここから先を読んだ方がいいですよ。

ヘルスリテラシーとは
 ヘルスリテラシー。またヨコ文字か!とへきえきされそうですね。ただ私が声を大にして伝えたいのは、この記事を読む医療生協の組合員でしたらヘルスリテラシーが高くあってほしい、という願いです。
 ヘルスリテラシーとは、必要な健康情報を手に入れ、理解し、評価し、活用するための知識、意欲、能力であり、それを心身のケアや健康づくりに活かして生活の質を向上させることができるもの、と言われています。日本の調査でヘルスリテラシーに「問題がある」人の割合が85.4%とヨーロッパより多い結果でした。ちなみにヨーロッパでは47.6%でした。その背景として、ヨーロッパでは健康教育の役割がある家庭医や訪問看護師が充実していることや、日本には信頼できて分かりやすいウェブサイトがないこと等が挙げられています。

ヘルスリテラシーと健康との関係
 ではヘルスリテラシーが低いと健康にどのような影響があるでしょうか?
 研究で明らかになっている例として、がん検診やワクチンなど予防医療を利用しない、病気や薬の知識が少ない、医学的な問題の兆候に気づきにくい、救急を利用しやすい、職場でケガをしやすい、慢性疾患で入院しやすい、死亡率が高い、医療費が高くなる…

5つのポイント
 さて日本で健康情報を見極める5つのポイント「かちもない」を紹介します。
「か」書いた人は誰か?信頼できる専門家か、所属があやしくないか?
「ち」ちがう情報と比べたか?他の多くの情報とはちがうかも。
「も」元ネタは何か?根拠があるか?科学的に評価された引用文献がなければ勝手な意見かも。
「な」何のために書かれたか?商業目的かも。
「い」いつの情報か?古くては、現在とはちがうかも。
 これって巷に蔓延るフェイクニュースの見破り方にも通ずるところがありますね。参考にしてください。
 この記事を読んだあなたにヘルスリテラシーという言葉を伝えられてよかった、よかった。

 聖路加国際大学看護情報学中山和弘先生が運営するサイト「ヘルスリテラシー健康を決める力」を参照しました。
 最終アクセス2018年4月13日

食べる力を維持するために

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新居浜協立病院 リハビリテーション科
言語聴覚士 合田 さやか


舌を鍛えよう
 私達は、日頃なにげなく、飲んだり食べたりしていますが、これは口やのどがタイミング良く、力強く動くことではじめて実現できます。
 「食べる」ことは、大きく分けると「噛む」と「飲み込む」の二つの工程に分けられます。この「噛む」と「飲み込む」の両方に大きく関わっているのが、舌です。舌は、全体が筋肉でできています。鍛えていないと、足腰が弱ってくるように、舌も弱ってきてしまいます。食事前などに、舌を大きく出して、ひっこめたり、左右に動かしたり、口の中をぐるっと一周するように動かしたりする事で、舌の力を鍛える事ができます。
 歯科の先生のお話によると、せっかく入れ歯を作っても、舌の動きが悪いと、使いこなせない事もあるそうです。舌の運動は、一回一回の動きを大きく、力強く行う事、根気強く日々継続する事が大切です。舌を動かすと、唾液の分泌も促され、口の中が潤ってくるのを感じられます。唾液は、噛み砕かれ、すりつぶされた食物と混ざりあい、ばらついた食物をまとめ、飲み込みやすくする重要な働きをしてくれます。
 水分の摂取が少なく脱水気味になっていたり、お薬の副作用によっても、唾液の分泌が少なくなる事があるので、口腔内の乾燥がひどく飲み込みにくさを感じる場合には、医師や薬剤師に相談してみると良いでしょう。また、歯に不具合がある場合には、先延ばしにせず、できるだけ早く治療してもらいましょう。

喉も鍛えよう
 「飲み込む」為には、ゴックンと、喉ぼとけが素早く十分に、斜め上に持ち上がる必要があります。すると普段は閉じている食道の入口が開き食物が喉から食道へと通過することができます。また喉には気管に間違って食物が入らない様にふたをする部分があり、その部分も、十分に働くことができます。
 喉の力をつけるためには、顎の下や首にある筋肉を鍛えます。口をできるだけ大きく開けたまま保つ(10秒×5回1セットを日に数回)、力強く吹く(吹き戻しや風船も使える)などを、顎の下の辺りに力が入っているか意識を向けながら行います。また、「きー」と唇をしっかり横に引き、力強く繰り返し発音したり、高い声を意識的に出すのも良いです。喉ぼとけが上に上がっているか、指で軽く触れながら行うと、効果的に行えると思います。
 喉の老化は40代から始まるといわれています。ぜひご家族皆さんで取り組み、食べる力を維持していって下さい。

①舌の前後運動
①舌の前後運動

②舌の左右運動
②舌の左右運動

③強く吹く(ティッシュが大きくなびくように)
③強く吹く
(ティッシュが大きくなびくように)

④「きー」と伸ばして発声指で喉ぼとけの上がり具合を確認
④「きー」と伸ばして発声
指で喉ぼとけの上がり具合を確認

みんなで楽しく〝PPK体操!〞

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新居浜協立病院 リハビリ科
神野 公農


 新居浜協立病院では2017年6月から市の『健康長寿地域拠点づくり』の委託を受けPPK(ピン・ピン・キラリ)体操を始めました。目的は自治会館等を活用して送迎に頼らない身近な場所に、住民主体で運営する通いの場を作ることで、高齢者の介護予防や健康づくり、仲間づくり等を推進していく事です。
 内容はセラバンドやお手玉を使用した体操を、みんなで一緒にDVDを観ながら、体を動かすという簡単なものです。私はリハビリ職種としてこの体操の指導とお手伝いをさせていただいております。
 開始当初は皆さん、一つひとつの運動をするのも戸惑っていましたが、筋肉の動きや運動の仕方を丁寧に指導することで、上手になってきました。また、継続することで確実に効果は表れており、「膝が曲がりやすくなった」「歩くときに杖がいらなくなった」「洗濯物が干しやすくなった」などの声が聞かれるようになりました。
 参加している方のなかには、90歳を超えた人もおられますが、自主的な参加なので、運動中は真剣そのもの。合間に笑顔も挟みつつ、とても充実した時間を過ごされています。
 現在、6か所の自治会を担当していますが、始めた頃よりも参加者が増えているところも多くあります。健康になっていく参加者の方々をみて、改めて場づくりって大切だなと感じさせられる毎日です。

※今回ご紹介したPPK体操について、より詳しくお知りになりたい方は以下へお問い合わせください。
新居浜協立病院・地域事業課
TEL 0897-36-3671

セラバンドを使って肩周囲の運動について説明しています
セラバンドを使って肩周囲の運動について説明しています

足の運動をしています
足の運動をしています

お手玉を使って脳に刺激を!認知症予防に効果的です
お手玉を使って脳に刺激を!
認知症予防に効果的です

果物で太る⁉

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愛媛生協病院 管理栄養士
棟田 あき


果物は甘い=エネルギーが高いといったイメージがあるため、果物を食べると太ると思っている人がいますが、これは大きな誤解です。果物が甘いと感じるのは果糖によるもので、果糖は砂糖の1・15倍〜1・73倍の甘さを感じさせますが、1g 当たりエネル ギーは4㎉と、他の糖と変わりません。甘いからといって、エネルギーが高いというわけではないんです。
又、果物は大部分が水分であり、菓子類のようにエネルギーの高い脂質がほとんど含まれていないため、100g 当たりのエネルギーは5 0㎉ 程度で、同じ量のショートケーキの1/7程度です。果物に豊富に含まれている食物繊維は、もともとエネルギーが少ないうえに水分を含んで膨張することから、脂質や糖質の吸収を抑制したり、吸収スピードを緩めたりするため、血中脂肪やコレステロールが上がりにくくなります。果物は重量の割りに低エネルギーで、栄養バランスのとれた食品です。

果糖って??・・

 果物などに多く含まれている糖の一種です。はちみつ、果実、根菜などに多く含まれていて、すべての糖の中で最も多く水に溶ける性質を持っています。フルクトースとも言います。血糖値を上げにくく、徐々に体内に吸収されるので、吸収・消費が穏やかなエネルギーといわれています。なので急激な血糖値の上昇がよくないとされる糖尿病や心臓病の患者さんにも利用されてきました。
 しかし・・・果糖は太らないんだ、なんて安心してはいけません。過剰に摂取することは肥満になる可能性が高くなるので、やはり食べすぎは禁物ですね。また糖尿病、脂肪肝などで、糖質を制限されている方は、果物の摂り方には十分気をつけましょう
 健康な方は、1日200g 程度とっても大丈夫です。例えば、みかんなら1日2個、リンゴなら1日1個位が目安です。

かぜの予防 ―手洗いとうがい、咳エチケット―

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協立病院
中濱 大 医師


気を付けていても、なぜか感染してしまう風邪やインフルエンザなどの感染症。
 正しいコツを知り、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防していきましょう。病気を引き起こす感染症の多くは、手から体内に侵入することが多いといわれています。ウイルスが手につかないようにすることはできません。
 感染を予防するために、手洗いが大切になります。また、手を洗うまで肩から上には手を上げないことを心掛け、目、鼻、口などの粘膜をいじって感染する危険性を減らすことが大切です。

【うがい】

水でうがいをすることにより、口の中が刺激され、粘液の分泌や血行が盛んになり、防御機能が働きやすくなります。
 また、口の中が潤っておらず、乾いた状態でいると、粘膜の機能が低下して、細菌やウイルスが付着しやすくなって、風邪などの症状を引き起こします。うがいをして口や喉を潤すことにより、ほこりやチリ、細菌・ウイルスなどを唾液と一緒に排出することができます。
 うがいは手洗いなど他の予防方法とむすびついているため、続ける意義があると思います。外出先から帰宅したら、手洗いとうがいをセットにして習慣化しましょう。
〈うがいの仕方〉
 うがいがしやすい量(約60㎖)の水や緑茶(殺菌作用があるといわれる)で3回に分けて行います。
 1回目は口の中の食べかすなどをとる目的で、口に含んで「クチュクチュ」として、吐き出します。
 2回目は、上を向いて、喉の奥まで届くように15秒程度「ガラガラ」とうがいします。
 3回目も、もう一度「ガラガラ」うがいを行います。

【風邪やインフルエンザにかかってしまったら、他人にうつさない気づかいを! ―咳エチケット―】

 体調が悪くても無理して学校や会社に行こうとしますが、感染を拡大する危険性があるため、しっかり休んで回復することが、周囲の人たちにうつさないことになります。
〈咳エチケット〉
 風邪やインフルエンザなど感染症にかかってしまった時、感染を広げないための咳の仕方です。マスクをしていない場合に咳やくしゃみが出る時は、
①周囲の人から顔を背けて咳をする。
②前腕部の袖口やティッシュで口と鼻を押えるようにして咳をする。飛沫が届かないように周囲の人と2メートルほど距離をとる。
〈マスクの効果〉
 感染者がマスクをすることで、飛沫を周囲に飛ばさないようにする「感染拡大防止効果」があります。周囲へうつさないために感染した場合には着用してください。
 遮断性が高い不織布マスクを使うようにしましょう。使うときには、正しく着用する必要があります。

フレイルの予防とおしゃべりの関係

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愛媛生協病院内科・家庭医療科
家庭医療専攻医 梶原 綾乃

3つの柱

「フレイル予防」は、「社会参加」と「運動すること」「食べること」の3つが柱とされています。
 中でも、「社会参加」が非常に重要で、全ての起点だとされています。
 例えば家族で食事に行こうというときにおじいちゃんが「いいよ、お前らだけで行ってこいよ」ということは日常的によくあることですし、近所のおつきあいでお誘いの声をかけても「私はもういいよ」という方も多くいらっしゃいます。
 外に出る意欲が落ちたとか、人と話す機会が少なくなったということがフレイルの最初の兆候で、その後の様々な要因がドミノ倒しのように倒れていくことがわかってきました。

みんなで健康づくり

 医療福祉生協は、健康づくりを一人でするのではなく、みんなでするというところが大きな特徴だと思います。
 地域には、サロンや医療生協の組合員が実施している「場」など、趣味的活動や勉強会、体操教室の「場」があります。趣味の活動などに参加することは、外出の機会が増え、身体を動かすことにつながりますし、仲間とおしゃべりを楽しむことで、気持ちが明るくなる効果も期待できます。
 何から始めればよいのかわからない方は、自分の培った経験を生かすことができるものや、興味があるものから活動してみてはいかがでしょうか。
 外出が苦手な人は、配食サービスなどの訪問型サービスを受けることでも社会との関わりを持つことができます。
 是非一歩踏み出して、人生を元気に楽しみましょう。
趣味を楽しみ、いきいきと
趣味を楽しみ、いきいきと

口からの健康づくり

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新居浜協立病院
管理栄養士 池田 優子

低栄養という言葉を聞いたことがありますか?

人は呼吸をし、ただ座っているだけでもエネルギーが必要です。またそれに加えて、歩く、仕事をする、家事をする等の活動を行うと更にエネルギーを必要とします。人はそのエネルギーを食事で補っています。
 しかし、人がなんらかの理由で食事を食べられなくなると、体についている筋肉や脂肪から、足りない分のエネルギーを補充します。
 その結果、体は痩せてしまいます。この状態を低栄養状態といいます。

高齢になると低栄養が起こりやすくなるのでしょうか?

高齢になると、加齢による胃や腸の消化機能の衰えや歯の欠損、飲み込む力の低下などにより食事量が減ってしまったり、疾病の影響などにより体力を消耗して痩せてしまったりします。それに加え、若者と比べると体に貯えている筋肉や脂肪が非常に少なく、たとえ数日間、食事が食べられないだけでも低栄養となってしまう可能性があります。
 低栄養であるかどうかを判断するポイントは、下記の2点がとても重要です。

①半月などの短期間で体重が急激に減少した
②体重が適正体重よりも軽い
適正体重
 右の表に、身長ごとに適正な体重の範囲を記載しました。ご自身の身長が表に当てはまりますか?表で示した体重よりも少ないと痩せすぎとなります。
 たとえ痩せていても、その体重を長期間維持できているのであれば、大きな問題とはいえませんが、体重がどんどん減少してしまっている場合は低栄養の恐れがあります。
 体重は、健康のバロメーターとしてとても重要です。日頃から体重を把握し、体調の変化に気づきやすくするよう心がけてください。
 低栄養を予防する為には、必要なエネルギーをしっかりと食べることが大切です。
 食事が適量を食べられなくなってきた、食べ残しが目立ってきたと感じた場合は、

①1回の食事の量を減らし、その分、食事の回数を 増やしてみる
②歯や口の中の様子を見て、食べやすい大きさや柔らかさにする
③たんぱく質を豊富に含む乳製品を食間にプラスする

 などご本人と相談して、工夫してみることが大切です。どうしても食べられない場合は、高エネルギーの栄養補助食品を利用するのも一つの方法です。

口からの健康づくり

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カナザキ歯科院長
金﨑 伸幸 歯学博士

オーラルフレイルとは?

 昨今、新聞やテレビなどで、歯周病から様々な全身疾患が起きるという話がよく聞かれるようになりました。口腔内の細菌や炎症が全身の健康に大きくかかわっているという話です。しかし、もう少しマクロな話として、口の機能が全身の機能にかかわっているということにも最近注目が集まっているのです。
 皆さんは「オーラルフレイル」という言葉をご存知でしょうか?フレイルは加齢に伴い身体の予備能力が低下し健康障害を起こしやすくなった状態を指します。フレイルは聞いたことがあってもオーラルフレイルについてはまだあまり馴染みがないかもしれません。日本老年歯科学会など歯科の分野で提唱されている言葉です。高齢者がフレイルになる前に、ほとんどの場合、先にオーラルフレイルといって口の機能の軽微な衰えの症状が必ず訪れるのです。

人は口から老いる

 少し前まで、人は足から老いるといわれていました。ところが最近、人は口から老いるともいわれています。口のことを口腔といいますが、口腔機能は噛むことだけでなく、食べ物をとらえること、味あうこと、飲み込むこと、しゃべること、歌うこと、感情表現すること、呼吸することなど様々な機能があります。
 食事をするときに、こぼしたり、むせたりすることが多くなったり、話をするときに滑舌が悪くなったという自覚があれば、口腔機能の軽微な衰え、つまりオーラルフレイルの可能性があります。フレイルから要介護になる前にこの段階で気づき予防や改善の努力を始めることが非常に大切なのです。

 予防や改善のポインとして、次のことが挙げられます。
❶、正しい歯磨きをして歯や口を清潔に保つ
❷、歯が悪くなったら、早く治療し、噛めない場所を作らない。(咬合崩壊を防ぐ)
❸、歯科医院で定期的メンテナンスを受ける
❹、口と舌の体操(あいうべ体操など)や唾液腺マッサージを毎日行う
❺、カラオケで歌ったり、本を大声で音読する 
❻、ボランティア、食事会、仕事、趣味など「社会とのつながりを持つ」
ぜひ家族ぐるみで取り組んでいただき、おひとり残らず介護不要の幸せな人生をお送りいただければと思います。

予防的・未病を治す 元気になる ピンピンコロリ目ざして

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城北診療所
所長 大西 健司

漢方薬って効くの?

 皆様、こんにちは‼漢方薬と聞くと長く飲まないと効果がないと勘違いされている人も多いのですが、漢方薬は速効性のあるもの、例えば、脳手術後にほとんどの脳外科で使われている脳のはれを早くひかせるための五苓散(ごれいさん)や、筋肉のけいれん(いわゆるこむら返り)に効く芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)や、便秘に効果のある大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)などがあります。
 一方、慢性的な状態を改善して体質改善を目的に使う漢方薬としては、「気血水」で考えて冷えをとったり、気のめぐりを良くする気剤や血のとどこおり(瘀血)をとる薬などがあります。消化器系の弱い人、呼吸器系ですぐに風邪をひく人などの改善には良い薬があり、その人に合うと他の 病気にもかかりにくくなる免疫(めんえき)の働きを高める作用もあります。
 地球上で発症する病気や傷には、地球上(もちろん海底や地下も含め)の物質で対応できると考え、きのこ類で抗生物質を作ったり、抗菌剤をさがす事もよくやられていますね。まだ対応しきれていない疾病の治療に役立つ資源がどこかにあると考えると、わくわくしませんか?漢方医学は中国を中心として何千年もの長い間で自然淘汰されて作り上げられた薬です。おもしろいと思いませんか?
 さて、漢方薬を使う医師は、未病(いまだ病気でない)の状態で早めに投薬して病気がおこらない様にする、これが一番上の医師(上医)と言われます。未病を治し養生するという考えは、今、高齢者で問題になりつつある「フレイル」に対しても、気や血の補いにより正常に近い状態に戻す治療が注目されています。寝たきりにならず「ピンピンコロリ」を目指し、健康寿命を延ばす治療、それがまさに漢方薬治療の最大の目標です。  また、次は具体例について解説していきます。

フレイル予防と栄養

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協立病院 地域事業課
伊藤 峰三郎

班会、サロン、場でフレイル予防

 先月の医療活動版では「フレイル(虚弱)」についての記事が掲載されました。今回は、「フレイル予防」についての話です。  「フレイル予防」には大事な3つの柱があります。1に運動、2に食事、3におしゃべりです。この3つの柱は、これまで私たちが「班会」や「サロン」「場」で取り組んできたことです。つまり医療生協の活動は、「フレイル予防」につながっているのです。  この中でも大事なことは、食べることですが、口腔ケアが不十分だと、食事もとりにくくなり、栄養も足りなくなってきます。そうしたことから「フレイルサイクル」が始まります。これらをふまえ、食事について掘り下げてみましょう。

バランスの良い食事を

 加齢とともに新陳代謝の速度が遅くなり、内臓機能も低下していきます。そのため、食べ過ぎや栄養不足にならないように注意が必要です。
 特に毎日の食事には、筋肉の素となるたんぱく質が多く含まれる肉・魚・大豆料理、そして骨を強くする牛乳・乳製品を多くとりましょう。
 バランスよく多様な食品を食べている人は、健康的な人が多く、うつ傾向になる人の割合が少ないというデータも出ています。
 上図の食事バランスガイドは、厚生労働省と農林水産省が策定したもので、1日に「何を」「どれだけ」食べるとバランスがよいのかをコマの形で示したものです。コマが安定して回転するには「適量でバランスのとれた食事」「十分な水分摂取」「菓子・嗜好飲料等は楽しく適度に」そして「適度な運動」を心がけることが大切です。みなさんも一度、自分の1日の食生活を振り返ってみませんか?

みんなで楽しく

 一人でご飯を食べることが当たり前になっていませんか?
 友人や家族とコミュニケーションがとれる楽しい共食(一人ではなく誰かと一緒に食事をすること)は、栄養バランスのよい食事をとることと同様に大切です。
 共食の機会がある人は、栄養面での効果や心身ともに元気になるなど、健康長寿によい影響があることがわかっています。
 みなさんもバランスのよい食事をとって、積極的に楽しい共食の機会をつくり、健康寿命の延伸につないでいきましょう。

運動をする人が、10年、20年後になっても老けない理由

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メディカルフィットネスココア
健康運動指導士 三谷 勇介

若さのキーワードは筋肉量!

 昔に比べ、50代、60代に対するイメージは変わってきたように感じます。
 昔の50代の代表と言えば、「サザエさん」に出てくる波平さんとフネさん。では、現代の50代60代の代表はだれか?それは郷ひろみさん(60歳)や、松田聖子さん(53歳)です。同じ年代でもイメージが全然違いますね。これからの時代は若々しい人との二極化が進んでいく気がしますね。

高倉健さんが晩年まで若々しかった理由

 俳優の高倉健さんも晩年までなぜあのように若々しくいられたのでしょうか?
 皆さんに共通するあるポイントは、「姿勢」です。 高倉健さんも郷ひろみさんも若い時からその姿勢はほとんど変わっていません。
 筋肉量低下が進む50代以降になると、筋量の低下により姿勢が崩れてきます。
 そして、姿勢が崩れていない人に共通するポイントのもう一つは、日頃からウォーキングやストレッチや場合によってはトレーニングなどの運動を欠かさない事です。

筋肉量や姿勢を維持するためには

●「ウォーキングで大丈夫」は、とても残念
 ウォーキングは、最も手軽にできて高い効果を上げられる健康法です。
しかし、「ウォーキングで足腰の筋力も鍛えられる」という事はほとんどありません。たくさん歩いたとしても、健康にはなりますが、足腰を丈夫にすることはできないんですね。
●筋肉のタイプの違い
 そもそも、筋肉には速筋と遅筋の2タイプがあり、速筋は瞬発的に大きな力を発揮する筋肉で、遅筋は持久力を発揮する筋肉。
 30代以降、毎年1%の割合で減っていく筋肉の大部分は速筋です。 実は、ウォーキングで使われるのは遅筋ばかりで速筋は刺激されません。
 そこで筋量維持で必要になるのが下半身や体幹のトレーニングです。
 一度実践してみてください。


認知症は予防できるか?

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愛媛生協病院
 精神科 上城 統士

認知症とは

 認知症は記憶力の低下とともに様々な知的能力が低下し普段の生活に支障をきたす病気で、日本で一番多いのはアルツハイマー型認知症です。よくある症状としては「同じことを何度も聞き返す」「意欲がなくなり楽しんでいたこともしなくなる」「何でもおっくうがりだらしなくなる」などがあります。アルツハイマー型認知症は現在のところ治すことは難しく、薬やリハビリで進行を遅らせることはできると言われています。多くの患者さんを診ていますが、やはり徐々に進行して分からないことやできないことが増えていくのが実情です。できれば認知症になりたくないというのが本音ではないでしょうか?

予防するには

 高齢化とともに日本では認知症の方は増えていくと言われています。2025年には65歳以上の方の5人に一人が認知症になると推計されています。この認知症を予防することができないかと様々な研究が行われていますが、最近イギリスで面白い報告が出ています。アルツハイマー型認知症が様々な生活習慣に影響を受けることは言われていましたが、イギリスでは生活習慣病対策を徹底して行うことで、この20年間で高齢化が進行しても認知症の方の数は減少していました。イギリスの取り組みを参考にすると、認知症予防にまず大事なのは運動です。特に散歩など気軽に取り組める運動を継続することが重要です。次に食事内容はバランスよく魚介類や野菜、豆類、植物油などを十分取り、塩分は控えめにします。このことが高血圧と糖尿病の予防につながり脳卒中を防ぎます。高血圧と糖尿病は放置せずにきちんと治療しましょう。禁煙と飲酒量の低減にも取り組みましょう。こうしてみると何か特別なことではなく、いわゆる生活習慣病対策と言われるような健康的な生活をすることが大事で、それによって認知症を予防できる可能性が高くなります。

もの忘れ外来

 最後に2017年1月から愛媛生協病院では「もの忘れ外来」を開設しています。認知症の症状が気になる方はお気軽にご相談ください。

かかりつけ薬局を決めましょう

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若水ハロー薬局
 薬剤師 末光 一元

調剤薬局では

 複数の医療機関を受診して処方箋をもらった場合、各医療機関に近い薬局に処方箋をもっていっていませんか?実は、調剤薬局は近くにある病院の処方箋だけでなく、全国どの医療機関から交付された処方箋も受け付けています。
 複数の医療機関で処方箋が発行されても1箇所の薬局で薬の調剤を受けると決めた薬局が、「かかりつけ薬局」です。
 調剤薬局には、医療機関のカルテと同じ役割の薬歴簿というものがあり、患者様一人ひとりの処方内容、説明内容、副作用歴やアレルギー情報などの様々な情報を記録しています。

かかりつけ薬局の役割

 かかりつけ薬局を決めることで、薬や健康について薬歴簿をもとに、アドバイスしてくれます。
 更に、大衆薬・サプリメントの購入や服用なども教えていただけると、その情報も記録します。
 複数の医療機関でもらった薬を一緒に飲んでいいのだろうか?大衆薬や街の薬局で買った薬、サプリメントとの飲み合わせはどうだろうか?詳しく薬の内容を知りたい!薬を飲み忘れた時どうしたらいいか?起こっている症状が薬の副作用ではないか?など思ったことはありませんか?かかりつけ薬局をもつことで、それらの悩みを薬剤師が解決してくれます。
 複数の薬局でお薬を受け取っていると、そのような管理をしてもらうことは出来ません。
 日々の血圧や病院での検査値など気になる点も、日ごろからお薬手帳にも記入すると相談もしやすくなります。

かかりつけ薬剤師

 今年の4月からかかりつけ薬剤師制度が始まりました。患者様ご自身が希望し、信頼できる薬剤師を選び、書面で同意を交わすことでこの制度を利用することが出来ます。(まだ始まったばかりの制度の為、全ての薬局にかかりつけ薬剤師の資格を持った薬剤師がいるわけではありません。)
 まずはこの機会に、かかりつけ薬局を決めて、活用しましょう!!

『水銀ミナマタ条約』と血圧計

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新居浜協立病院
院長 谷井  実

水俣病

 みなさん、水俣病を知っていますか。水俣病は、1956年、熊本県水俣湾周辺で発見された、公害病です。チッソ株式会社、昭和電工株式会社の工場から排出されたメチル水銀化合物が魚介類に蓄積し、それを食べることによって起こった中毒性の中枢神経系疾患です。
 手足の知覚障害、運動失調、視野狭窄、聴力障害および言葉の発音の障害を引き起こします。また、妊娠中にメチル水銀が胎児に移行し、発症する胎児性水俣病では、脳性小児麻痺に似た症状を来します。
 「公害の原点」とも言われる水俣病の公式確認から60年が過ぎましたが、今なお(2016年5月)2千人を超える人が患者認定を待っています。

水俣条約

 水銀は今でも世界的に使用されており、その健康被害や環境破壊は日本だけの問題ではありません。水銀は常温で液体である唯一の金属で、揮発性が高く、様々な排出源から環境に排出されて、全世界を循環します。先進国では水銀の使用量が減っていますが、途上国では未だに使用され、水銀汚染は世界的な取り組みによる排出削減が必要な問題と言えます。水俣病と同じような被害を繰り返してはならないという、決意を込めて「水銀に関する水俣条約」と名付けて、2013年10月19日に採択・署名されました。水銀および水銀を使用した製品の製造と輸出入を規制する国際条約です。発効は50か国が批准してから90日後とされており、2016年4月4日現在、21 か国が批准しています。

身近なところの水銀

 身近なところでは、体育館などの水銀灯、蛍光灯、乾電池の一部、水銀血圧計、水銀体温計があります。廃棄する場合は産業廃棄物として専門業者に依頼する必要があります。日本高血圧学会では、水銀血圧計についてはすでに新規導入は行わないことを推奨しており、愛媛医療生協も病棟・外来ともに電子血圧計に切り替えましたが、体温計や血圧計は正しく使用し水銀が外部に漏れなければ被害は発生しません。
 新居浜市では、水銀体温計や乾電池は有害ゴミとして、指定の日に家庭ごみとして廃棄することができます。この様にお住いの市や町ごとに、回収方法や日程など、処理の仕方が異なりますので、廃棄の際は、町内などで確認下さい。

ときめき健康チャレンジ 〜仲間と育む健康の輪〜

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協立病院
地域事業課 末田 真志

昨年度のときめき健康チャレンジは

 2396 名の参加があり、男女比では男性18.1%、女性81.9%、年齢別では70代34.0%、60代29.1%、80代12.7%の順でした。コース別では、運動が34.0%と最も多く、食生活改善13.4%、肥満改善13.0%の順でした。
 チャレンジ終了後の報告書提出は1686名で、「体重4㎏減が達成できた。油断するとすぐ太るので毎日の体重測定を継続したい」(66歳・女性)、「18年間喫煙していたが、このチャレンジで禁煙することができた」(38歳・男性)など多くの成果と感想が寄せられました。足指を広げて延ばす「ひろのば体操」にチャレンジした36人中28人で、親指と小指の外側幅が平均50㎜ 広がるという効果もありました。これは歩行能力やバランス力の向上などにつながります。自己評価では、「やや役に立った」(44.2%)、「役に立った」(40.5%)と、85%近くの人から高い評価を得ることができました。生活習慣化に向けた支援として、職員からの実施評価と今後のアドバイスも参加者から大変喜ばれました。

他団体との連携で

 今年度は、主体的に取り組む団体を増やすために、愛媛県生活協同組合連合会が主催して、松山医療生協・新居浜医療福祉生協・愛媛医療生協が共催することになりました。当医療生協は、自治体や地域諸団体の協同を広げながら3000人の目標で取り組みます。

仲間といっしょに健康づくり

 健康チャレンジは誰もが気軽にできる健康づくりです。自らが新たな健康づくりを60日間継続し、終了後も生活習慣化することで、健康寿命を延ばす取り組みです。
 健康づくりは、一人ではなく、仲間と一緒にすることでより効果があがることが実証されています。健康チャレンジを通して、仲間を増やし、新たな場づくりもすすめていきましょう。

(理事会健康づくり委員会事務局 末田 真志)

腰痛について

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新居浜協立病院
理学療法士 一柳 昌志

原因は

 腰痛の原因は腰の骨や筋肉の傷害によるものから、ストレスや他の病気によるものまで様々ですが、全て合わせると日本の成人の90%が一生に一度は腰痛を経験していると言われます。そして腰痛全体の約85%は、レントゲンなどの画像検査では腰に明らかな異常が見られない原因不明の腰痛症です。ぎっくり腰もこの腰痛に分類されます。ぎっくり腰などの急性腰痛では受傷した時の症状は大きいものの、4 か月以内に80〜90%が保存療法(安静にすること)で改善するという特徴があります。
 また原因不明の腰痛の約半分には、多かれ少なかれ、ストレス、不安、鬱(うつ)などの心理・社会的要因が関与しています(心因性腰痛)。

予防は

 構造上、腰は体重の多くを占める上半身の重みを支えるのに最も大きな役割を果たし、物を持ったり体を曲げ伸ばししたりと、大小さまざまな動きをするときにも一番負担がかかります。特に腰の背骨「腰椎(ようつい)」の一番下の、骨盤との境界部分には全体重の約60%がかかり、腰を前に曲げるとその4倍の負荷がかかります。そのため日常生活で負担がかかることが多く、比較的若い時期から腰痛などの障害が起こりやすい部位です。
 腰椎は、その構造から骨格ではなく周辺の筋肉などの軟部組織が安定性を担っています。ですから、その軟部組織を強化することで防ぐことができる腰痛もあります。簡単に言うと、お腹(骨盤)の周りの筋肉を鍛えることが腰痛予防において大切だということです。

専門家に相談を

 簡単なエクササイズとして、腹横筋というお腹周りのベルトのような役割をする筋肉の運動があります。方法は専門家に相談することをお勧めします。
 腰痛はほとんどの場合が数週間で改善するため、まず最初にすることは体も心も休めることです。痛みが長期間に及ぶ場合は医療機関を受診するようにしてください。

医療生協を活かした地域包括ケアとは

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愛媛医療生協
常務理事 高下 博行

暮らしをサポート

 愛媛医療生協では、昨年長期計画2020ビジョンを策定しました。長年取り組んできた地域まるごと健康づくりをおしひろげ、協同の力で、地域まるごとケアシステムを築いていきます。
 現在、各地域でありたい姿にむけた様々な実践が始まっています。健康体操やサロン、青空健康チェック、シネマカフェ、農園、バス旅行など様々な取り組みが活発になり、お友達が出来たり、毎日が楽しくなったり、お互いさまのお付き合いが広がっています。機関紙「えひめ医療生協」の毎月配布や各地の配食サービスは、ひとりぐらしの高齢者の安否確認につながっています。新事業づくりも組合員参加によって取り組まれ、最近では、愛媛生協病院の建替えをはじめ、メディカルフィットネスやコミュニティカフェ、ショートステイ陽だまり、高齢者福祉施設げんき室屋町の家がオープンし、暮らしをサポートする力が広がりました。

支え合いを広げる

 これからも医療生協の場をとおして、ちょっとした不安や困りごとが出しあえて、助けたり助けられたりする、そんな人と人の輪がうんと広がっていくと素敵だと思います。そのためには、医療も介護も健康づくりも、日常の暮らしや地域のお付き合いを支える仕組みをつくることが必要です。医療生協の「健康観」を共有して事業や活動の質を高めていくこと、地域の中で顔なじみの関係を広げていくこと、制度の改善を自治体とともにすすめること、なによりも一緒にがんばってくれる職員と仲間増やしをすすめることです。ご一緒に愛媛医療生協を大きくして地域に協同を広げましょう。

高齢者の誤嚥性肺炎予防

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白石歯科医院
院長 白石 亨

 日本人の死亡原因、三大疾病である悪性新生物(ガン)、心疾患、に続き3位に肺炎があります。 肺炎を原因とした65歳以上の死亡率が96%と非常に高く、90歳以上では死亡原因第1位になります。


肺炎の原因

 高齢者の肺炎は、誤嚥【ごえん】(口の中の唾液、たん、食べ物が気管の中に入り込むこと)によって、口の中の虫歯菌や歯周病菌が肺まで到達し炎症を引き起こすことが起因しています。
 脳血管障害(脳梗塞、脳内出血)や、パーキンソン症候群、アルツハイマー型痴呆症などの認知症の方は、嚥下障害(飲み込みの障害で喉の神経や筋肉が正常にはたらかない)があり、肺炎を起こしやすいのです。一度食べた食事が、胃から食道に逆流して誤嚥して起きることもあります。経鼻経管栄養(鼻から胃に管を入れて栄養剤を入れる)や、胃瘻【いろう】 (おなかから胃に管を入れ、栄養剤をいれる)の場合も発症することがあります。

予防するには

 全ての誤嚥が肺炎につながるわけではなく、侵襲と抵抗のバランスで決まります。このバランスを大きく崩すものとして、不顕性誤嚥(むせの無い誤嚥)があり、パーキンソン病、脳卒中や、認知症の末期で多くなります。侵襲の軽減として、口腔ケアが第一で、不潔な唾液中の細菌800種類・10億個/1㎖の数を減らす事ができます。また咳反射や嚥下反射を改善する効果もあります。抵抗力の向上は免疫力向上の肺炎球菌ワクチンは有効です。また咳反射を促す薬剤、食品(ACE阻害剤・アマンタジン・シロシタゾール・半夏厚朴湯・カプサイシン)を利用します。あと呼吸理学療法があります。

おでこ体操

簡単にできる嚥下おでこ体操を紹介します
 額に手を当てて抵抗を加え、おへそを覗き込むように強く下を向くようにします。
 次の2つの方法で行ってください。
●ゆっくり5つ数えながら持続(6〜7秒)して行ってください。
●1から5まで数を唱えながら、それに合わせて下を向くように力を入れてください。
 食事の直前に行うと効果的です

インフルエンザへの備えと対処

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新居浜協立病院
内科 谷本 浩二医師

感染予防にはマスクと手洗い

 インフルエンザは流行が始まると、短期間に子どもさんから高齢者の方まで膨大な数の方が感染する点で、普通の風邪と異なります。インフルエンザにかかっている人の咳やくしゃみなどによる飛沫からの感染が主な経路で、衣服についた場合には感染力は数時間持続するようです。したがって流行期のインフルエンザ感染予防には、マスクと手洗いが最も有効と考えられています。

ワクチンの効果

 感染予防にはインフルエンザワクチンが推奨されています。接種してから効果が出るまで約2週間必要で、その持続は約4か月間です。流行期は通常12月から5月までですので、ワクチン接種は12月までに済ませるとよいでしょう。ワクチン接種をしていても、インフルエンザに感染・発症することがありますが、症状が軽く済んだり、高齢の方や基礎疾患を持っている方(糖尿病、慢性呼吸器疾患、肝臓・腎臓疾患、抗がん剤治療中など)の死亡率を減らす効果があるとされています。自分を守るため、また周りの人への感染源とならないよう、ワクチン接種をしてください。

かかってしまったら

 インフルエンザにかかってしまった時の対処法ですが、前に述べた様な基礎疾患のない健康な方であれば、安静、休養、水分補給で3~4日程度で改善します。症状を軽減するため下熱剤を使用する場合には、アセトアミノフェン(カロナール、ピリナジン、アルピニーなど)を使用してください。それ以外の解熱鎮痛剤(ロキソプロフェン、ポンタールなど)は脳炎や重症化の危険があるため使用してはいけません。  高齢者や基礎疾患のある方は、インフルエンザの治療薬を使用する場合があります。発症2日以内でなければ効果がないなどの注意点があるので、使用するしないはその時の状況に応じ、医師の判断によります。

SDH(健康の社会的決定要因)と医療生協の可能性

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愛媛生協病院
精神科 今村 高暢医師

 健康状態の差は、ライフスタイルや環境、保健医療の違いによって起こりますが、これらを決定しているのは政治的、社会的、経済的要因です。生まれついた社会によって健康格差ができることは、本人の責任ではなく、社会が引き起こしている不公平です。このような健康格差を生み出す要因を「健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health)」と呼びます。

健康格差の10の要因

 欧米では、イギリスを中心として、健康や疾病の要因として社会経済的要因が検討されてきています。WHOのヨーロッパ事務局は、1998年に『健康の社会的決定要因:確かな事実』を公表し、2003年には第2版を発表しています。そこでは、10の要因についてまとめていて、それぞれの内容は次のようなものです。 1.社会格差、2.ストレス、3.幼少期、4.社会的排除、5.労働、6.失業、7.社会的支援、8.薬物依存、9.食品、10.交通、です。これらの要因が健康格差につながっているデータが集まっており、これらを政策に反映することにより健康の公平を実現しようと呼びかけています。
 具体的に少し説明すると、1.「社会格差」については、どの社会でも、その最下層部に近いほど平均寿命は短く、多くの疾病が見受けられます。4.「社会的排除」では、貧困の中での人生は短いものとなります。貧困、社会的排除や差別は困窮、憤り等を引き起こし、命を縮めてしまいます。7.「社会的支援」については、友情、良好な人間の社会的関係、確立された支援ネットワークにより、家庭・職場・地域社会における健康が推進されます。

貧困と健康格差に立ち向かう

 今後、2025年に向けて、政府・厚労省は「地域包括ケア」を進めていく方針を出していますが、その土台は「自己責任」によるもので、更に地域の健康格差が広がっていく可能性を秘めています。私たち医療生協、民医連が考える「地域包括ケア」は貧困と健康格差に立ち向かう無差別平等のものです。そのような視点で、全国の医療生協の中では、「安心して住み続けられるまちづくり」の取り組みを自治体や地域包括支援センターと懇談や協力をしながら進めているところも出てきています。また子どもの貧困が広がるなか、「無料塾」に取り組む組織も増えています。そのような様々な活動を通じて新しい担い手も増えているとも言われています。  愛媛医療生協でも、地域に一人ぼっちのお年寄りを作らないお食事会やサロン活動など、つながり作りが「社会的支援」につながり、地域の健康推進に役立っている可能性があります。
 現在、私たち愛媛医療生協も来るべき2025年に向けて議論を開始しています。全国の経験にも学びながら、それぞれの地域の実情に合った形で議論を進めましょう。
 支部によって置かれている条件は違うと思いますが、事業所と支部が一緒に作り上げていただければと思います。そして議論の中にSDHの視点を忘れずに入れていただければと思います。

介護保険が変わりました

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協立在宅ケアセンタ-
センタ-長 西原 美保

 2000年に始まった介護保険制度ですが、高齢化が進み介護保険の総費用は増大する一途です。2025年には、団塊の世代が75歳以上となり、医療や介護を必要とする方がますます増加します。このような背景の中、今年4月介護保険の改正が行われました。  ここで、そのポイントをご紹介します。

改正のポイント

 ①一定以上の所得のある利用者の自己負担が引き上げられました。  これまでは所得にかかわらず一律にサービス費の1割負担としていましたが、65歳以上で、夫婦での合計所得金額160万円以上(単身で年金収入のみの場合、年収280万円以上)の方は8月から2割負担となりました。介護保険の認定者には「介護保険負担割合証」が発行されています。しかし、2割負担となった場合でも利用者負担には上限があり、上限を超えた分は「高額介護サービス費」が支給されますのですべての方の負担が2倍になるわけではありません。

②特別養護老人ホームの入所基準が原則として要介護3以上となりました。

③低所得の施設利用者の食費・居住費に対する「補足給付」が住民税非課税世帯でも単身で1000万円超、夫婦で2000万円超の資産のある人は8月から補助打ち切りとなりました。また、非課税世帯でも、世帯分離している配偶者が住民税課税者の場合も補助打ち切りとなりました。

④要支援1、2の方は、市町村の地域支援事業へ移行します。

2017年度までに予防訪問介護(ヘルパー)予防通所介護(デイサービス)が段階的に移行となり、今後は住んでいる市町村によって、サービスのあり方や利用料などが変わってきます。

ご相談ください

 介護保険のことで聞きたい、手続きがわからないなどありましたらお近くのケアマネジャーにご相談ください。

夏の塩分摂取について

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泉川診療所
吉田 克己 医師



塩分は

 「脱水症の予防のため、塩分をとりましょう。」といった呼びかけが、テレビなどでされています。しかし私、あえて塩分をとる必要はないと考えています。

日本人の塩分摂取量平均、10g 以上です。通常の塩分必要量は、1g と言われています。余計な塩分は、となって排泄されます。
汗に出る塩分は尿よりもっと薄く、量的には少ないのです。高温多湿な環境で肉体労働をした場合(鉱の中での労働など)、塩分摂取をしないでいると低ナトリウム血症になる場合があります。このような特な場合を除き、あえて塩分をとる必要はありません。

水分は
 一方、水分摂取はきちんとしてください。お茶やスポーツドリンクなどが良い でしょう。
高血圧症の患者さんでは、あえて塩分を多くとると、血圧が上がってしまいます。減塩は続けることをおすすめします。日本高血圧学会でも、同じような注意をしています。
通常の清涼飲料水(カロリーゼロを除く)は沢山砂糖が入っているため、あまりおすすめで きません。
班会で塩分チェックをしていると、だいたいの塩分摂取量がわかります。夏場に測定した塩分濃度が増えているなら、あえて塩分をとる必要はありません。

楽しく継続できる運動を!

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愛媛生協病院
山本 美奈子 医師



体のバランスは耳(内耳)、目、関節・筋肉が感じる情報を脳が調節して保たれています。これが障害されると体のバランスが乱れて、めまいが起こります。


運動の効果

 運動には血圧や血糖値を下げる効果、体重を減らす効果だけでなく、心臓や肺の働きを高めたり、足腰の筋力を強くし、転倒や老化を予防する効果もあります。 また、運動することでストレス解消となり、うつ病などの予防・改善にも有効であると言われています。

生活活動を増やしましょう

 しかし、いざ運動するとなると、「仕事や家事が忙しくてなかなか時間がとれない」という人が多いのではないでしょうか。そんな人におすすめなのが、"生活活動量を増やす"ことです。 人が体を動かすことを総じて身体活動と言います。身体活動=運動+生活活動という式からも分かるように、私たちは運動だけでなく、通勤や掃除といった日常生活内での活動からもエネルギーを消費しています。自転車通勤へ変える、歩いて買い物に行く、階段を利用するなど、日常の中で身体活動量を増やすにはいろいろな方法があります。万歩計で毎日歩数を記録し、まずはそれを3000歩増やすことから始めてみるのはどうでしょうか?


運動は分割しても効果あり

 運動は、まとめて長時間しなくてはいけないものではありません。2型糖尿病患者さんにおけるある研究では、1日45分の運動を1回行うよりも、毎食後に15分ずつ分けて行った方が血糖改善効果は高かったことが示唆されています。仕事や家事の合間に短い運動を繰り返す程度でも、継続すれば健康上の効果が期待できるのです。
 運動療法には、絶対こうするべきだといった正解はありません。自分の身体や生活スタイルに合わせて、"楽しく継続できる"やり方をみつけることが大切です。運動を行ううえで健康上の不安がある方は、医師や健康運動指導士へお気軽にご相談ください。

めまい

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新居浜協立病院
中濱  大 医師



体のバランスは耳(内耳)、目、関節・筋肉が感じる情報を脳が調節して保たれています。これが障害されると体のバランスが乱れて、めまいが起こります。


めまいの3タイプ

①ぐるぐる回るめまい
 主に内耳の病気が原因で起こります。難聴や耳鳴り、耳閉感を伴う場合は内耳の病気で起こるめまいです。良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎などがあります。
②ふわふわするめまい
 過労、睡眠不足、不安、ストレスなどの心身が不調な時に起こります。内耳や脳の病気でおこることがあります。
③クラっとするめまい
 ほとんどは立ちくらみ(起立性低血圧)です。急に立ち上がったときに、血圧の調節がうまくいかないため、脳の血流が一時的に不足して起こります。

受診時にはこれを伝えましょう

(1)いつどんな状況でめまいが起こるか
  (2)どんなめまいか(めまいのタイプや持続時間、繰り返すか)
(3)めまい以外の症状(耳の聞こえ具合や手足のしびれや麻痺、話しにくいなど)をできるだけ詳しく医師に伝えましょう。


危険なめまい

 脳の病気(脳梗塞、脳出血、脳腫瘍など)によるめまいは、命にかかわることもあるため、注意が必要です。ただし、脳の病気で必ずめまいが起こるわけではなく、脳幹や小脳が障害されると、めまいを生じやすいとされています。
 脳の病気の場合めまい以外にも特徴的な症状があり、脳梗塞や脳出血が疑われる場合、突然発症し、体の麻痺やしびれ、激しい頭痛、言葉がうまく出てこない、意識障害などといった症状があります。特に、どうしても立てない、歩けない、症状がどんどん悪化する場合は早急に検査が必要です。

「石綿作業をしていませんでしたか?」

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伊予診療所
城内 謙治 医師



石綿(アスベスト)とは

 とても細かい天然鉱物で、保温断熱効果に優れているため、以前はさまざまな場所で使われていました。しかし、吸入することで高い発がん性があることがわかり、今では製造禁止になっています。
 この石綿には、数十年の時間を経て、肺がんや中皮腫などの悪性疾患が発生するという特徴があります。特に粉塵を十年以上扱っていた方で多くなります。石綿を使った作業をしていた方、使われている場所で作業した方、当時つくられた建物の解体にあたっている方などは、注意が必要です

具体的な作業

 石綿の製造・吹付け・張付け・運搬、造船・港湾・船員、建築・解体現場、発電所・鉄工所、自動車製造・解体、ガラス製品・石油化学製品の製造、清掃工場や廃棄物処理、電気製品や作業用機械製造、レンガ・陶磁器・セメント製品の製造、エレベータ保守、ランドリー・クリーニング作業、ガスマスク製造、上下水道業、ゴム・タイヤ製造、道路建設・補修、映画放送舞台、農薬・バーミキュライト製造、酒類製造、消防、歯科技工、金属製造・解体・タルク使用作業など、多岐にわたります。


心当たりのある方

 当時働いていた事業所がなくなっていても、症状がなくても、検査を受けましょう。レントゲンなどで肺が硬くなった所見や、胸膜肥厚斑という変化があれば、アスベストが原因と診断できます。住んでいる県の労働局に健康管理手帳を申請し、管理区分によって検査や治療を受けられます。肺がんや中皮腫、続発性気管支炎などの特定の病気があれば、労災として療養補償給付や休業補償給付などを受けることができます。

「更年期障害」

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愛媛生協病院
村上 祥子 医師



どうしてなるの?

 「更年期障害」は更年期に起こる様々な症状によって日常生活に支障をきたした状態です。
 更年期とは閉経の前後5年間のことです。この頃になると加齢によって卵巣の機能が衰え、エストロゲンというホルモンが急激に少なくなります。さらに、この年代の女性は家庭や社会環境の変化に伴うストレスにも多くさらされます。子どもの受験や自立、夫の退職、年老いた親の介護や死別、自分自身の老いの自覚などがあります。ホルモンの変化とストレスが複雑に絡み合い、様々な症状を引き起こすのです。

さまざまな症状

 更年期にみられる症状は、ほてり・のぼせ・発汗・動悸などが有名ですが、他にも肩こり・腰痛・関節痛、頭痛・不安・不眠・イライラ・物忘れ、その他にも手足のしびれ、乾燥感やかゆみ、排尿障害など多彩です。
 これらの症状は他の様々な病気でもおこるので、診察・検査や経過から慎重に判断していきます。また、複数の診療科の受診が必要なこともあります。


その人に合った治療法

 更年期障害と診断されたら、ホルモン補充療法・漢方薬・向精神薬などの治療が選択肢になりますが、その方の症状やかかったことのある病気によって適する治療法が変わってきます。カウンセリングや生活習慣の改善で効果が出る場合もあります。
 更年期をうまく過ごすことは、その後に訪れる老年期をよりよいものにする土台となります。
 愛媛生協病院では、9月から火曜日の午前のみ、婦人科を中心とした女性外来が始まります。医師、看護師すべて女性で担当します。更年期障害の診療もしますので、お困りの方はぜひご相談ください。完全予約制ですので、まずは、外来予約センターまでお電話下さい。

「マダニが媒介する感染症、 重症熱性血小板減少症候群とは」

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新居浜協立病院
谷井 実 医師



 マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の愛媛県内での発生が報告されています。どのような病気なのでしょうか。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

 日本では2013年に初めて確認されました。その時に過去にさかのぼって調査をしたところ、2005年から12年までに10名の患者さんがいることがわかりました。原因はウイルスで、マダニに咬まれることで感染します。咬まれてから、6日から2週間で発病します。症状は、発熱、嘔吐、下痢、腹痛などで、重症化し死亡することもあります。発病した後の治療方法はありません。愛媛県は多発地域で患者数は宮崎県に次いで2番目の多さです。

マダニについて

 大きさは約2㎜ 、血を吸うと1~2㎝ の大きさになります。動物や人の体に食いついて1週間程度かけて、ゆっくりと吸血します。その時にウイルスが入るのです。布団や畳の中にいる家ダニとは異なる種です。マダニは野山に生息し、5月から8月にかけて活発になります。畑作業やレジャーで野山に出かけ、咬まれる危険があります。


感染しない予防対策、マダニに咬まれないためには

 野山、草むらに入る場合は肌を出さないよう、長そで、長ズボン、長靴、帽子、手袋などを着用しましょう。地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないようにしましょう。

マダニに咬まれたら

 マダニはとがった口を皮膚に突き刺し、約1週間かけてゆっくりと血を吸います。そうして2㎜の体が5~10倍の大きさになります。無理に引き抜こうとすると、マダニの体の一部が皮膚内に残って、症状を悪化させます。
 引き抜こうとせず、外科あるいは皮膚科などの医療機関を受診してください。

(協立病院院長 谷井 実)

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