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医療活動版

ピロリ菌が胃がんの原因

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生協宇摩診療所 所長
小原 朝彦 医師

若者に多いスキルス胃がん

 若者に多い「スキルス」胃がんは、未分化型癌で腺管形成に乏しく、びまん性(※1)に浸潤する癌です。直接ピロリ菌が細胞内の遺伝子変化を起こし、発癌すると考えられています。一方、腺管形成をする分化型癌はピロリ菌が胃炎から「胃粘膜萎縮」を起こし、30年ほどで胃がんが明らかとなり50歳ころから胃がん年齢となります。
 いずれにしろピロリ菌が胃がんの原因です。胃がん治療のガイドラインでは、内視鏡で胃がんを治療した人は再発予防のために除菌をおこなうと改訂されました。日本ヘリコバクター学会(※2)は、ピロリ菌陽性者の全員除菌を推奨しています。

まずは健診を

 ピロリ菌検査には尿素呼気試験、血液抗体検査、尿抗体検査、便抗原検査があります。
 城北診療所が昨年開始し、宇摩診療所が今年開始した「ABC健診」ではピロリ菌抗体検査とペプシノーゲン検査を「血液」のみで判定します。ペプシノーゲン検査は「胃の萎縮度」の検査です。
ABC健診は胃がんになる危険度を判定します。

除菌で胃がん予防

 年間5万人が胃がんで死亡しています。団塊の世代が胃がん年齢に達しましたので、これからは年間7万人が胃がん死すると予想されています。「成人式」に無料でピロリ菌検査をして、ピロリ除菌を勧める自治体もあります。
 「ABC健診」でピロリ菌陽性であれば「除菌」して胃がんを予防しましょう。残念ながら除菌は自費になります。
 除菌しても胃粘膜萎縮が既に起こっている場合は、後年遅れて胃がんが発生します。定期的な胃カメラ健診は必要です。ピロリ菌は人間の胃内とその吐物、排泄物にしかいません。母親がピロリ菌陽性の場合は子どもに経口感染することがあります。成長した段階でピロリ菌検査をして胃粘膜萎縮が起こるまえに除菌しましょう。また、もちろん「スキルス」胃がんの予防に対しては直接的に有効です。

※1 病変がはっきりと限定することができずに広い範囲に広がっている状態
※2 ヘリコバクター(ピロリ)感染に関する研究の促進発展をめざす学会

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