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コラム 風を読む

2009年5月号

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 八〇年前の昭和四年、世界大恐慌がはじまった。翌年には農業恐慌による農産物の価格暴落、さらに前代未聞の大凶作と続いた。農村では夜逃げ、娘の身売り、青田売りなどが広がった。農民の健康―結核、トラホーム、赤痢などの感染症が社会問題となっていた。一方で無医村が激増した。開業医は金にならぬと村を棄て町に去った。庶民にとって医療はますます遠い存在になった。
 この時、暮らしに追い詰められた農民たちが力を合わせて、協同の力で医療を確保する道を探った。農協の前身である産業組合が「医療利用組合」を組織し、出資金を募って、医師を呼び寄せて運営した。西条市の周桑病院はそんな時代に、周桑二〇町村の産業組合が九千人余の組合員から九万円余の出資金を集めてスタートした病院だ。
 いま、平成の大恐慌。自公政府による医療構造改革で、後期高齢者医療制度の導入や療養ベッド削減がすすめられ、「無保険者」が増えている。私たちの周りにある、医療や介護の困りごと、年金や暮らしの悩みを集めて、協同の力で解決していく。自助、共助、公助の道を探る。まさに、医療生協出番の時だ。危機の時代は、チェンジの時、チャレンジの時でもある。
 周桑病院も民営化の方向がささやかれるが、設立の精神に立ち返ってほしいものだ。

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