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医療活動版

耳の老化

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新居浜協立病院 医師
大田 康詞(おおた こうじ)



老人性難聴の特徴
 聴力が下がる原因には、ストレス、薬の副作用(ストレプトマイシンが代表的)、極めて強烈な音を聞いたことによる耳のダメージ、頭部への衝撃、耳の気圧変化、遺伝性、ウイルス性、などが挙げられますが、原因不明のケースも多くあります。これらとは別に加齢に伴う聴力の衰えは老人性難聴といい、いわゆる耳が遠くなるというのが「耳の老化」ということになります。大体五〇才を過ぎると本人の自覚の有無に関わらず耳はだんだん遠くなってくるといわれています。なぜか高い方の音から苦手になるため、言葉のはしばしが聞こえなくなってしまいます。そうすると、相手から話しかけられている事はわかるのだけれども、話の内容が上手く把握しきれないということが起こります。それが老人性難聴の特徴です。

小声が聞こえる!?
高い音の方から聞こえなくなってくる理由は、耳の中の構造にあります。私達の耳の中の内耳の部分には、有毛細胞と呼ばれる睫毛のような形をしたものがあります。ここに音が当たることで振動し、脳に音の信号を伝えています。これは高い音を感知する細胞の方が低い音を感知する細胞よりも手前にあり、いつも振動するために早くすり減ってしまいます。だから、よくお嫁さんがおばあちゃんに『ご飯出来たわよー』と大声で呼びかけても返事が無いのに、『もう、耳が遠くなったんだから』なんて小声でぼそっと言うと低い声のため小さい声でも聞こえてしまいます。これはおばあちゃんがお嫁さんを嫌いなわけでも、都合の悪い事は聞こえないわけでもありません。
 むやみに大きな音を聞くと老化を早めますから、大きな音はなるべくなら聞かないようにすることが大切です。予期しないような大きな音が聞こえてくるような環境の方、例えば工事現場の方などは耳栓などを上手く使って耳を保護するというのも有効です

大事に上手に
 耳の老化というのは、ある程度は防げるものです。しかし、耳がいったんその機能を失うと、自然な形での再生は出来ないため、自分で自分の耳は守らなくてはいけません。補聴器の性能は年々向上していますが、結局自然の耳に完全にとって変わることは出来ません。難聴が原因で、コミュニケーションが減り、家に引きこもりがちになったり、認知症が進行することもあります。人間の体は機械と一緒でどんどん使えばくたびれてくるのは当然のことですから、なるべく大事に上手に使って長くいい状態を保ちましょう。
 皆さん、お耳の遠いご老人にはむやみに高い声ではなく、むしろ低い声で顔を向き合って話しましょう。お年寄りの方ももっと聞こえが悪くなった時は意地を張らずに補聴器などの相談をしましょう。社会との接点もでき、心の老化も防ぐことができます。

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