愛媛医療生協(しんぶん)

2019.10.10 コラム
コラム 風を読む 2019年10月号

「私たちは大量絶滅の始まりにいる。でも、みなさんが話している事と言えば、お金のことと経済成長は永遠に続くというおとぎ話だ」。国連の気候行動サミットでのスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが各国代表に呼びかけた演説だ。サミットでは77ヶ国が温室効果ガスを2050年には実質ゼロにすることを誓った。しかし、この場に日米の首脳は参加しなかった。
グレタさんの呼びかけで「世界の指導者が気候変動対策を怠り未来を奪うことは、子どもの権利の侵害だ」と世界の若者が行動を起こしている。地球温暖化により海面が上昇し、今世紀末には海面が産業革命前に比べて4m上昇すると「国連の気候変動に関する政府間パネル」が報告している。温暖化の進行で海面水温が上昇し、勢力の強い熱帯低気圧が増え、台風や大雨の頻度が増えていると国土交通省も述べている。
9月に千葉県を直撃した台風15号は最大瞬間風速50m強で多くの送電塔や電柱をなぎ倒し、停電が9万戸を超え、長期間にわたって復旧できなかった。
近年、大型台風や極地豪雨など自然の猛威による経験の無い大規模災害が続発している。自然環境の変化が要因としか思えない。
米国はパリ協定からの離脱を表明し、日本は石炭火力の新設を計画している。政府のリーダーシップで「パリ協定」を実践するよう、私たちも声をあげたい。